3期生 角田 崚
- 留学国
- インドネシア、ジョグジャカルタ、Universitas Gadjah Mada
- 留学テーマ
- インドネシアで日本を知る
- 留学期間
- 1年
- 費用
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90万円
- 奨学金の種類
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トビタテ!留学JAPAN
- 履修内容(メインで勉強した科目等)
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国際関係学
- 課外活動(クラブ活動、インターンシップなど)
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第二次世界大戦経験者への取材
- 学んだこと、身に着けた力
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多様性の中でのリーダーシップ
体験?感想
自分の取り組み(何を考え、どう行動したか)
私は現地で第二次世界大戦経験者を取材していました。インドネシアは当時日本の統治下にありました。その時代を実際に経験し、覚えている世代は80代後半ーなので、インドネシアの平均寿命69歳と照らし合わせると、いなくなってしまう将来もそう遠くはありません。そこで私はその経験者の方々をインタビュー取材し、動画として記録することにしました。実際に始めてみると、二つの壁に当たりました。一つ目は捜索難航の壁です。前述のとおり、インドネシアの平均寿命は69歳であり、80代後半の人々を探すのは簡単なことではありません。もう一つの壁はジャワ語の壁です。インドネシアでは若者は基本的にインドネシア語を使います。しかし、80代ともなると日常的に使う言葉はジャワ語であり、ジャワ語ができ、かつそれを日本語に翻訳できる人を探すこともまた困難を極めました。しかし最終的には両者とも複数人に継続的にインタビューをすることができました。
印象的なエピソード
いつものように寝ていました。すると朝5時くらいにドアを強くノックされました。寝ぼけていたので応答しませんでした。すると鍵が開き、暗闇の中3人の男が部屋に入ってきました。恐怖のあまり布団に身をくるみました。すると一人の男がこちらに迫ってきて、何やら耳をふさぐようにジェスチャーしてきました。当時はインドネシア語もままならなかったので、とりあえず要求に従いました。すると男3人は私の部屋のお風呂場に行き、力強くドアを閉めました。「なんだかわからないけど俺はもう終わりなんだ」と思いました。すると「グオングオングオン」ととてつもなく大きな音が20秒ほど鳴り響きました。さすがにすべての部屋に聞こえていたと思います。私は軽くパニックになりました。その音が鳴りやむと、男は何かを言い残し、部屋を出ていきました。急いでお風呂場に行き、ドアを開けました。何もおかしなところはありません。しかしよーく見ると、右側の壁にちっちゃいフックがつけられていました。工事の人がドリルで穴をあけてフックをつけてくれたようです。おかげでタオルがかけられるようになりました。
成果、自分の成長した部分
前述のとおり、日本の統治を直接経験した世代と関わり合いを持ち、動画として記録することができました。また、メインの活動以外にはインドネシアの宗教多様性を知るという意味で、インドネシアの人々が他教徒の多い村でボランティアする様子を撮影させていただいたりもしました。自分と育ってきた環境の違う人々と協働していくという経験が私のリーダーシップを育ててくれました。
「GT生」として留学する理由、意義とは何だと考えるか
「つながりが持てるから」です。もしあなたがはじめて留学をするなら、人とのつながりを持つことは大切だと思います。なぜなら、留学は経験したことのないことだからです。経験をしたことがないことは他者の助けを借りる必要があります。しかし関係の浅い人に助けを求めるのは容易ではありません。そこでいるのが他のGT生であり、言い換えれば留学経験のある人たちです。
後輩へのメッセージ
留学を通して自分の視野を本当に広げたいと思っている人は、できるだけ日本とはかけ離れた環境に身を置くのが一つの手だと思います。そういった面で、インドネシアは多くを学べる場所でした。自分の固定概念が毎日崩されていくような感覚でした。人間は年を取るごとに固定概念を石のように固くし、やがて崩せなくなってしまいます。今のうちに固定概念を崩しに行ってみてはいかがでしょうか。