saidaiseeds2016-17
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埼玉大学研究シーズ集2016-17■?研究概要■?産業界へのアピールポイント■?実用化例?応用事例?活用例高感度カルシウムプローブ分子で神経活動を捉える神経活動、カルシウムイオン、イメージング、蛍光プローブ分子、G-CaMP(ジーキャンプ)、R-CaMP(アールキャンプ)キーワード我々は脳の活動を理解するために、神経活動を蛍光で可視化するためのプローブ分子を開発しています。蛍光の測定では、プローブを予め導入した細胞を標的として、標的細胞に光を照射して細胞の機能を計測します。近年、蛍光測定のためのタンパク質でできたプローブの開発?改良が進んでいます。そのようなプローブを用いると、動物の生体内で細胞特異的かつ細胞内局所特異的に、長期間にわたって細胞機能を計測することが可能になるからです。我々は細胞が活動する時に濃度が大きく変化するカルシウムイオンに着目し、このイオンが結合すると明るく光るプローブタンパク質であるG-CaMP(緑色)やR-CaMP(赤色)を開発?改良してきました。最新プローブを用いることで、神経細胞の1発の発火活動で生じる微弱なシグナルや神経細胞同士の接続部であるシナプスでのシグナルが検出可能となり、特定の神経細胞間の交信を解析できるようになってきました。●高感度な蛍光カルシウムプローブG-CaMPやR-CaMPは遺伝子でコードされており、細胞や動物?植物に組み込むことができます。●G-CaMP/R-CaMPを用いることで、細胞特異的、時期特異的な測定が可能です。●G-CaMP/R-CaMPは測定直前に細胞に色素を取り込ませる必要がありません。●G-CaMP/R-CaMPを用いると、従来プローブで観測できない微弱な細胞シグナルを観測できます。●詳しくは、特許第5788160号、特開2014-001161 に記載の情報をご覧ください。●薬剤スクリーニングや薬物試験●環境モニタリング●遺伝子治療、移植医療、再生医療●細胞-マシンインターフェイス【最近の研究テーマ】●生体内の単一神経細胞の活動を検出できる高性能蛍光カルシウムプローブの開発●生体内の単一神経細胞の活動を外部操作できる光アクチュエーターの開発●我々のプローブ技術を活用して、現在以下の研究テーマを進めています:科研費課題番号26282217、15H01275、16K14552、16H01378??http://subsi.saitama-u.ac.jp/ http://subsi.saitama-u.ac.jp/organization/okura.html大倉 正道 准教授大学院理工学研究科 連携先端重点研究部門 脳科学領域〈In vivo 脳での神経回路活動の理解を目指した新技術開発研究のイメージ図〉ライフ97

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