リトアニアの安全保障から世界情勢を考察する ― 元リトアニア大使 白石和子氏をお招きした講義を開催
2023/6/1
講義後の集合写真
教養?スキル?リテラシー科目の講義「Introduction to International Relations」は、日本と世界との結びつきを第一線で担っている主要国在京大使館や国際機関の皆さんなどを講師にお迎えし、グローバルな問題への理解や国際的な視野の涵養を目指した国際共修授業です。ホームページでは、講義の様子を毎週お伝えしています。
5月25日(木)の講義では、外務省入省後、リトアニア大使、女性?人権人道担当大使、北極担当大使等を歴任された白石和子氏を講義にお招きし「リトアニアの安全保障 ロシアのウクライナ侵攻を受けて」をテーマに講演いただきました。
講義ではまず、「ウクライナ戦争とは何か」から始まり、世界各国のウクライナ支援状況について触れ、支援額としては、EUとG7がその9割となっているが、対GDP比としてはラトビア(人口200万人)、エストニア(100万人)、リトアニア(300万人)のバルト3国が1位~3位となっていること等を説明いただきました。次にリトアニアについて説明され、かつてはヨーロッパの大部分を占める大国であったが、1772年移行のポーランド分割により領土を奪われ、その後も5度も体制転換を強いられたことや、大国に蹂躙された歴史からくる「国を守る強い愛国心」や、「小国でも大国による力による支配を決して受け入れない強い決意」などを学びました。
質疑応答では、女性?人権人道大使という面での質問も寄せられました。当時の外務省には出産後も働く女性はいなかったけれども、外交はやりがいがあり、誇りに思える仕事であったあったことや、素晴らしい上司に恵まれたことで仕事を続けられたこと等をお話しされました。仕事にプライドをもち、外交の仕事で輝いてきた白石氏の講義に、学生達は勇気づけられ、パワーをもらったようです。
白石和子氏
講義の様子