啄木短歌を土地言葉に訳す~埼玉大学連続市民講座part9「現代社会を生きる」第3回を開催しました~
2018/9/28
埼玉大学と読売新聞社さいたま支局との共催による連続市民講座part9「現代社会を生きる」の第3回を9月22日(土)に開催しました。
今回は、大学院人文社会科学研究科の新井高子准教授を講師に「東北のことば、声のふしぎ-啄木短歌を大船渡の土地言葉に訳す試みから-」と題した講演が行われました。
講演では、東日本大震災をきっかけに岩手県大船渡市の仮設住宅等を会場に、石川啄木の短歌をケセン語(気仙方言)に訳すプロジェクトの取り組みについて説明の後、実際にケセン語で短歌を読み上げる映像が流れました。受講者は土地言葉に聴き入り、その語感に触れることにより、方言の魅力をそれぞれが感じ取っている様子が伺えました。その魅力の背景として土地言葉は、学校のすり込みや文字化を被ったことのない純粋な「声」の世界で、体の実感をもとに限りないバリエーションがあり、ひとりひとりに、それぞれの言葉がある、それが土地言葉の姿であり豊かな声の世界であるとの解説がありました。
当日は、約250名が受講し、熱心に聴き入る受講者の姿が多く見受けられ、講演後の質疑応答も活発に行われました。講演後にご協力いただいたアンケートでは、「東北の言葉には暖かさと力強さを改めて感じた」などの感想が寄せられました。
次回(第4回)は、10月27日(土)に大学院理工学研究科の大久保潤准教授による「データ社会と人工知能に向き合う」と題した講演を行います。
どなたでも受講でき、事前の申込みも不要ですので、お気軽にご参加ください。
皆さまのお越しをお待ちしております。
会場の様子
講演する新井准教授
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