埼玉を代表する企業の経営陣が直接講義 ―寄附講義「現代銀行経営論」で公開授業を開催
2018/7/18
経済学部で開講している、「埼玉りそな銀行の寄附講義『現代銀行経営論』」のカリキュラムの中に、今年度から「業界研究コーナー」が新設され、ポラス株式会社、株式会社しまむら、カルソニックカンセイ株式会社の経営陣から学生に直接講義いただきました。
講義の様子
講演日時 | 講演者 |
---|---|
6月26日(火) 15:40~ |
ポラス株式会社 コミュニケーション部長 伊藤賀一氏 「住まい産業の取組み」 |
6月26日(火) 16:50~ |
株式会社しまむら 代表取締役 野中正人氏 「小売企業の取組み」 |
7月3日(火) 14:40~ |
カルソニックカンセイ株式会社 代表取締役会長 森谷弘史氏 「ものづくり企業の取組み」 |
ポラス株式会社
株式会社しまむら
株式会社 しまむら
代表取締役会長 野中 正人 氏
埼玉県さいたま市に本社を置く株式会社しまむらは、「ファッションセンターしまむら」、「アベイル」、「バースデイ」、「シャンブル」、「ディバロ」、「思夢楽(台湾)」、「飾夢楽(上海)」といった衣類品チェーンストアを、日本国内?台湾?上海に合計2,145店舗展開しています。
講義では、衣料品事業の中でもデイリーファッションに特化し、ローコストを経営の原点とした株式会社しまむらの経営理念をお話しいただき、ローコスト経営のための「仕組み」の例として、仕入れ方法(現金支払い、短い支払いサイト、完全買い取り、返品?値引き無し等)や運営コストの削減(建物の標準化、レイアウトの標準化等)について説明いただきました。
続いて衣料品業界の現状を交えた今後の経営についても触れ、衣料品は縮小市場ではあるが、「新たなマーケットは確実にあり、そこに気づくか生み出すことが必要」とし、対象を絞り、できることに特化することを徹底し、クレジットカードや電子マネー等のECの台頭による新たなマーケットの開拓を続けて行きたいとお話しいただきました。
カルソニックカンセイ株式会社
カルソニックカンセイ株式会社
代表取締役会長 森谷 弘史 氏
さいたま市に本社を置くカルソニックカンセイ株式会社は、自動車用製品の6製品群(自動車のCPR?内装製品、排気製品、熱交換器製品、電子製品、空調製品、コンプレッサー製品)を生産?供給している総合部品メーカーで、日本のみならず、世界15ヵ国80拠点で事業を展開し、世界中のほぼ全ての主要なカーメーカーに製品を提供しています。
講義ではまず、森谷会長が日産自動車に入社してからカルソニックカンセイの会長に就任するまでの歩みが紹介され、スペインやメキシコに出向した際のことや、社長時代にTOB(株式公開買付け)を行い、日産グループから離脱した際の対応等についてもお話しをいただきました。
続いて、自動車のEV化?IT化に代表される自動車産業の変化をどうチャンスに捉えるかをテーマにお話しいただき、特にIT化に伴う車載セキュリティソフトウェアの需要増を見据えて設立したサイバーセキュリティ会社「WHITE MOTION」については、代表の蔵本氏から直接お話しをいただきました。
最後に学生へ伝えたいこととして、「赤毛のアン」からの言葉を引用し、「好奇心をもってどんどん前に進んで欲しい。」そして、「進んだ先に逆風があったときは、帆の向きを変えて前に進みましょう。」と加え、失敗を恐れて前に進まないのが一番好ましくないことであると学生へアドバイスをおくりました。
参考URL
ポラス株式会社 コミュニケーション部
部長 伊藤 賀一 氏
埼玉県越谷市に本社を置くポラス株式会社は、埼玉?東京?千葉の新築一戸建て、注文住宅、建て替え等の事業を行っており、「地域密着型経営」と「直営責任一貫体制」の考え方のもと事業を行っています。
講義ではまず、会社の概要や住宅産業界の現状についてお話しがあり、住宅の着工戸数は年々減少しているものの、量から質へと変化していることなど説明がありました。続いて、ポラスグループの「街づくり」についての取組事例や、メセナ活動(企業が主として資金を提供して、 文化?芸術活動を支援すること)などの地域貢献に関する活動についてお話しがあり、全1000邸を超える大規模分譲地でのコミュニティ作りや、住宅取得用に取得した土地にあった歴史的価値の高い建物を残し、歴史ある雰囲気を町並みデザインに取り入れた事例、そして浦和レッズのトップパートナーとして2013年より協賛していること等についてお話しいただきました。
講義の最後には、「ライフプラン?ライフイベントを見据えたマネープラン」についてお話しいただき、住宅購入にかかる費用や金利、そして、大学生のうちから少しずつでもマネープランを考えて行きましょうとのアドバイスありました。