埼玉大学連続市民講座part8「埼玉を流れるもの -水と人-」第4回を開催しました
2017/10/26
埼玉大学と読売新聞社さいたま支局との共催による連続市民講座part8「埼玉を流れるもの -水と人-」の第4回を10月21日(土)に開催しました。今回は、人文社会科学研究科の田中恭子教授を講師に「埼玉大学の学生の結婚観と将来の居住地移動」と題した講演が行われました。
田中教授は、日本の少子化の原因として、女性が働くことと子育ての両立が困難であるという問題が1990年代に論じられて以降、20年経っても改善されていないことを指摘し、とりわけ東京圏における若者の結婚、子育て、居住地移動に対する意識を探るために、埼玉大学経済学部生を対象に実施したアンケートの分析結果を紹介しました。
例えば、自己実現願望(自身の目標達成や生きがいを求めること)と希望子ども数の相関をみると、男性ではあまり関連がみられないのに対し、女性では自己実現願望が強い者ほど子どもを欲しくないと回答した割合が高く、これは両方を望むことの難しさと同時に、社会に出る前の若者がそのような意識を既に持っていることを示していると説明しました。
当日は、台風接近による悪天候にも関わらず、約150名の方にお越しいただきました。講演後にご協力いただいたアンケートでは、「現実として、子育てしながら働き続けることが難しいという社会状況があり、根本的に社会の仕組みを変えていかないと、日本は少子高齢化から脱出できないと再認識しました。」などの感想が寄せられました。
熱心に聴講する受講者のみなさん
講演する田中教授
次回は11月18日(土)に、科学分析支援センターの藤原隆司准教授による「秩父の自然の恵みを活かす~森と水と人との関わり~」と題した講演を行います。どなたでも受講でき、事前の申込みも不要ですので、お気軽にご参加ください。皆さまのお越しをお待ちしております。
【参考リンク】