子どもの成長と教育実践の事実に寄り添いながら、未来への可能性を語り合う
社会の閉塞感が高まり少子化が問題にされる中で、教育のアップデートが国民全体の関心事となり、情報社会が進展する中でAIをはじめとする新しいテクノロジーに希望を見出そうとする華やかな取り組みが全国の学校で展開されています。
しかし、その一方で、教育の現場は様々な難題に直面してもいます。学級崩壊、いじめ?迫害、暴力、不登校、学習意欲のかつてない低下などです。このような状況の真っ只中にいるこどもたちをもっとも注目しながら、私たちの研究は行われています。
本専修における学生たちの学習と研究は、「現場の事実との対話」を軸に進められていきます。たとえば、実際に学校に出かけて新しい実践課題に取り組み、フィールドワークで小学生の授業参観に取り組んでいる教師たちの姿を見つめながら、ともに新しい学びの様式やシステムの構築に参加していこうとする学習が行われます。
あるいは、一見否定的と思える現実を示す子どもたちの本当の「声」にふれながら、 その奥に息づく人間らしく生きようとする要求を感じ取り、同じ時代を生きる者としての共感とともにその解決の筋道を探ろうとする学習も行われます。
「臨床教育実践学」とは、このように新しい「学び」のスタイルや「教え」が直面している困難や混乱の「現場」の事実に寄り添いながら、教育の未来を展望しようとする研究のことです。その中で、子どもたちの学びと発達をめぐる「あるべき未来=理想の追求」とともに、「ありうる未来=現実的な可能性」をしっかりつかんでいきたい。そう思うのです。
あなたも、私たちの、そして私たちがつながる教育現場の改革的な実践者たちとの「学びの道づれ」になりませんか。
こんな授業 こんな研究
横山 愛 准教授
「この問題の答えは?はい、○○さん」「はい、△△です!」「そうですね」 こんなやりとりをこれまでの皆さんの学校生活の中で経験したことはないでしょうか?これは半世紀昔にミーハンという教育学者が見つけた、授業の典型的コミュニケーションの一つです。教師の指名、子どもの発言、教師の評価、というやりとりは、今でも授業の進め方の中心的な方法になっています。一方で、学級の中には、たくさんお話したい子、ノートに考えをたくさん書いている子、こっそりお隣の子とお話している子、別のことを考えている子...たくさんの子どもたちがいます。こうした多くの子どもたちが互いに関わり合い、関係を作ることで授業は作られていきます。私は、授業の中で発言をしていない子ども達がどのように学級のコミュニケーションに参加しているのかを研究しています。学級という集団と、その中にいる多様な子どもたちに目を向け、一つの社会を見とることを目指しています。多角的な視点から子どもや学級集団を理解できる教師になりたい、そんな方のご入学をお待ちしています。
主な授業科目
教材づくりと授業展開、教師の成長と教師教育、メディアと学習支援、教授?学習システム論、授業分析と授業の構成、総合学習の原理と方法 他
在学生の声
3年生
臨床教育実践学専修では、実際の教育現場に出向き、そこで得た課題や疑問などをもとに研究を行うことができます。私は、大学1年生の頃からおこなっている外国につながりのある児童生徒への日本語ボランティアの経験から、現在の学校における日本語支援や指導に関心を持ちました。実際に日本語ボランティアの活動に参加することで、データだけでは見えない子どもたちの実態や目の前の課題が見えてきます。ゼミでは、そこで得た課題を先生や学生たちと意見交換しながら解決策などを考え、深めています。
教育現場では日々様々なことが起きています。その出来事を文献やデータだけで見るのではなく、実際に現場に足を運び自分自身で見て学び考えることが大切だと考えています。みなさんも子どもたちや今の教育現場が直面している課題に目を向けて、豊かな教育の在り方について考えてみませんか。